【7月30日 AFP】フランス政府は29日、新型コロナワクチンの接種を完了した欧州連合(EU)加盟国の国民が隔離期間なしで英国に入国できる新ルールから、なぜ仏国民が除外されたのか理解できないと非難した。

 28日の英政府発表によると、新型コロナ対策で同国が渡航制限を課した「アンバー(黄色)」リストに記載されている国からの渡航者は、米食品医薬品局(FDA)または欧州医薬品庁(EMA)が承認したワクチンの接種を完了していれば、8月から10日間の自主隔離が不要になるが、フランスだけが除外されている。

 フランスのクレマン・ボーヌ(Clement Beaune)欧州問題担当相は、「この決定はフランス人に対する差別的なもの」だと非難。ニュース専門局LCIに対し「過剰であり、公衆衛生政策の観点からも意味をなさない」と述べ、「科学的根拠もない」と強調した。

 英政府がフランスを除外したのは、ワクチンに対する耐性が強いとされるベータ株が「持続的に存在」していることへの懸念からだ。しかし、ボーヌ氏によると、フランスの新型コロナ感染例のうちベータ株は5%未満で、そのほとんどは海外領土で起きており、そうした海外領土から英国に渡航する人は比較的少ないという。(c)AFP