【7月29日 AFP】わずか数か月前には車いすで移動するほどのけがに見舞われていた東京五輪の卓球女子シンガポール代表、ユ・モンユ(Yu Meng Yu)は29日、女子シングルス準決勝で敗戦を喫し、大会での快進撃が涙の終わりを告げた。

 今大会第26シードのユは、第1シードの陳夢(Chen Meng、中国)との準決勝でけがの治療を受けながらプレーし、6-11、8-11、7-11、6-11で敗れた。

 現在31歳の同選手は、腰や肩などこれまでけがに悩まされ続けている。3月にはカタール・ドーハで行われた大会を終えて帰国する際に、車いすに乗っている姿が国内英字紙ストレーツ・タイムズ(The Straits Times)で報じられていた。

 陳に敗れた後、またしても腰のけがに関連して左太ももを痛めたというユは、試合中に理学療法士に来てもらい、「治療を受けて、このまま試合を続けて最後まで戦えるか判断してもらった」と明かした。

 東京五輪後の現役引退を表明していたユは、「プロのアスリートとして、試合を戦い抜くことはとても重要」と強調し、「この五輪会場に立つことだけでも、自分にとっては本当に大変なことだったので、けがを理由に簡単にこの試合を諦めたくなかった」と語った。

 ユは同日、伊藤美誠(Mima Ito)との3位決定戦に臨む。(c)AFP