【7月29日 AFP】「スター・ウォーズ(Star Wars)」シリーズなどを題材にした「ディープフェイク」映像の制作で知られる有名なユーチューバーが、米ウォルト・ディズニー・カンパニー(The Walt Disney Company)傘下のルーカスフィルム(Lucasfilm)に雇用されたことが分かった。

Shamook」の名で知られるデジタルアーティストは、最先端の技術を駆使して俳優の顔を別の俳優の顔と極めて自然に入れ替えた動画を制作し、ネット上の有名人となっている。

 これまでにも、クリスチャン・ベール(Christian Bale)が演じたバットマン(Batman)にロバート・パティンソン(Robert Pattinson)の顔を張り付け、2015年公開の映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード(Mad Max: Fury Road)』で主役を演じたトム・ハーディ(Tom Hardy)と若いメル・ギブソン(Mel Gibson)を入れ替えるなど、フェイク動画で評判を得ていた。

 中でも、「マンダロリアン(The Mandalorian)」シーズン2のクライマックスのフェイク動画に、ルーカスフィルムの幹部は感心したようだ。

 1983年の映画『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐(Return of the Jedi)』から5年後が舞台となる「マンダロリアン」シリーズ2のラストでは、デジタル処理されたマーク・ハミル(Mark Hamill)がサプライズで登場し、若き日のルーク・スカイウォーカー(Luke Skywalker)を再び演じている。

 だが、アマチュアのShamook氏が再加工した動画の方が現在ディズニープラス(Disney+)で配信されている公式版より出来がいいと、同氏のフォロワー9万人の多くは考えたようだ。

 ルーカスフィルムの視覚効果チーム、インダストリアル・ライト&マジック(ILM)の広報は、「私たちは才能あるアーティストを常に探している。実際にネット上で『Shamook』として活動しているアーティストを雇った」とAFPに対する書面で述べた。

「ILMはこの数年間、感動的な視覚効果作品を制作する手段として、機械学習とAI(人工知能)に投資してきたが、技術の進歩とともにこの分野に弾みがついているのを目の当たりにするのは素晴らしい」と述べている。

 Shamook氏は、ユーチューブ(YouTube)でルーカスフィルムに雇用されたと発表し、新たな肩書は「シニア・フェーシャル・キャプチャー・アーティスト」だと明らかにしている。(c)AFP