【8月8日 AFP】欧州各国の首都の中で汚染レベルが最悪とされるポーランドのワルシャワ中心部に、クリーンな酸素を出す新しい遊び場「エアバブル(AirBubble)」が出現した。中では、藻類が大気汚染の原因となる微粒子や二酸化炭素(CO2)を吸収し、酸素の泡を出している。

 プロジェクトを手掛けた都市デザイン事務所「エコロジックスタジオ(EcoLogicStudio)」の共同創始者、マルコ・ポレット(Marco Poletto)氏は「自然界の生物の英知を都市に持ち込むことの有用性は、まだ開拓されていない」と語る。

 ポレット氏は「エネルギーを生み出し、CO2を取り込み、空気を浄化する生きたマシンに建築物を変える」ことを提案している。

 欧州環境庁(EEA)が先月公開したデータによると、ワルシャワの大気質は欧州の323都市のうち269位だった。

 大気汚染の主な原因は石炭の燃焼だ。EEAは、人口約3800万人のポーランドで年間5万人が大気汚染のため早死にしていると推計している。

「エアバブル」には数十本のガラス製シリンダーが取り付けられている。中身は水に入った緑色の藻類で、下部からポンプで空気が送られて来る。この藻類が大気汚染の原因となる粒子状物質やCO2を吸収し、装置の上部からは新鮮な酸素が放出される。

「エアバブル」の設置は11月までの予定だが、常設される可能性もある。また、他の複数の都市にも設置が予定されている。(c)AFP