【7月31日 AFPBB News】1週間のSDGsニュースを振り返る。

LGBTQ向け高齢者施設、米ヒューストンに登場 米最大

 米テキサス州にこのほど、LGBTQ(性的少数者)向けの高齢者施設「ロー・ハリントン高齢者生活センター(Law Harrington Senior Living Center)」が正式にオープンした。住戸112戸と、図書室やドッグパークなどの共用施設が備わっている。

 施設は、高齢で体が弱くなった人々が地域で暮らし続けるために住居を提供することと、より広範なLGBTQコミュニティーを温かく受け入れていくことを目的に設置された。

米テキサス州ヒューストンのLGBTQ向け高齢者施設「ロー・ハリントンセンター」の自室で話すドラァグクイーンのディナ・ジェイコブスさん(中央、2021年6月24日撮影)。(c)Francois PICARD / AFP

まるで奴隷、イタリア農村で搾取され立ち上がるインド人移民労働者

 現代の奴隷制の実態を調査した国連(UN)特別報告者の2018年の推計では、イタリアでは40万人以上の農業労働者が搾取される危険にさらされ、10万人近くが「非人道的な労働条件」に直面している。

 インド人の移民労働者バルビア・シン(Balbir Singh)さん(49)がイタリアで家畜の世話をした6年間は、まるで奴隷のような日々だった。

 シンさんはフェイスブック(Facebook)やメッセージアプリのワッツアップ(WhatsApp)を通じて地元のインド人社会の有力者やイタリア人の人権活動家に助けを求め、警察の強制捜査で救出された。

 警察に見つけ出された時のシンさんは、トレーラーハウスに住み、ガスも電気もなく、お湯も出ない生活を送っていた。食べ物は、雇い主の残飯かニワトリや豚の余った餌。家畜を洗うためのホースをシャワー代わりにしていた。

イタリア・サバウディア近郊ベラファーニア村のインド人移民労働者の親子(2021年6月24日撮影)。(c)Filippo MONTEFORTE / AFP

酷暑のなか停電長期化、自家発電で近隣世帯に電力 イラク首都

 酷暑が続く中で停電が長期化しているイラクの首都バグダッドのサドルシティー(Sadr City)地区で、アキール・ハッサン(Aqeel Hassan)さん(42)たちは自家発電機を使用した私設の発電施設で、近所の270世帯に電力を供給している。

 イラクは、隣国のイランからガスと電力を購入して電力供給の約3分の1を賄っている。しかしイランは先月、同国への電力供給をストップすると決定した。

息子と過ごすアキール・ハッサンさん。イラク首都バグダッドのサドルシティーにある私設の発電施設にて(2021年7月17日撮影)。(c)Sabah ARAR / AFP

大型送風機40台できれいな空気を都心にお届け インド首都

 大気汚染で悪名が高いインドの首都ニューデリーで、大型の送風機40台を備えた高さ25メートルの巨大空気清浄設備「スモッグタワー」を建設し、中心部にある高級ショッピング街に向けてきれいな空気を送り込む計画が進んでいる。

 プロジェクトの責任者は、スモッグタワーの設置目的について、人体に有害な微小粒子状物質(PM2.5)を大気中から最大50%取り除くことだと説明。ニューデリー全域の大気を浄化するのではなく、特定の地域について市民が呼吸をしやすい環境をつくり出すのが狙いだと語った。8月15日のインド独立記念日までに工事を終えたいとしている。

インド・ニューデリーの、商業地区コンノート・プレース近くにある巨大空気清浄設備「スモッグタワー」の建設現場(2021年7月21日撮影)。(c)Money SHARMA / AFP