【7月27日 AFP】(更新)ロイド・オースティン(Lloyd Austin)米国防長官は27日、係争地域となっている南シナ海(South China Sea)の大半で中国が主張する領有権について、「国際法上根拠がない」と述べ、同域で影響力を強める中国をけん制した。

 オースティン長官は東南アジア歴訪の最初の訪問国シンガポールで、複数の国が領有権を争う南シナ海における中国の管轄権主張は「この地域の国家の主権を踏みにじるものだ」と述べた。

 一方で長官は、米国は「国益が脅かされればひるむことはないが、(中国との)対立をあえて望むわけではない」との考えを示し、「人民解放軍(PLA)とのより緊密なクライシスコミュニケーションなど、中国との建設的かつ安定的な関係を追求することを約束する」と語った。

 南シナ海は資源が豊富で、同海を介した貿易は年間数兆ドル規模に上る。中国が同海のほぼ全域の領有権を主張する一方、ブルネイ、マレーシア、フィリピン、台湾、ベトナムも領有権を主張している。(c)AFP