【7月27日 AFP】米ハーバード大学(Harvard University)の著名天文学者が率いる科学者の国際チームが26日、地球外文明が築いた技術の証拠を探す新しいプロジェクトを発表した。

「ガリレオ・プロジェクト(Galileo Project)」は、UFO(未確認飛行物体)を調査するための中型望遠鏡、カメラ、コンピューターによる世界的なネットワークの構築を目的としている。

 プロジェクトには、米国のハーバード大学、プリンストン大学(Princeton University)、カリフォルニア工科大学(California Institute of Technology)、英ケンブリッジ大学(Cambridge University)、スウェーデンのストックホルム大学(Stockholm University)の研究者が参加。これまでに民間から175万ドル(約1億9000万円)の寄付が集まった。

 プロジェクトを率いるハーバード大のアビ・ローブ(Avi Loeb)教授(59)は記者会見で、天の川銀河(銀河系、Milky Way)に地球型惑星が広がっていることを示唆する最近の研究結果を踏まえ、「技術文明がわれわれよりも先に存在していた可能性を無視することはもはやできない」と語った。

 米国防総省は先月、未確認空中現象の性質は不明だとする報告書を発表している。

 ローブ氏は、「空に見えるものは、科学者としての訓練を受けていない政治家や軍人が解釈すべきものではなく、科学界が解明すべきだ」と述べ、プロジェクトの資金を10倍に増やしたいと語った。

 同プロジェクトはUFOの研究以外にも、星間空間から太陽系に飛来する物体の調査や、地球を探査しているかもしれない異星人の衛星の探索なども行っていきたいとしている。

 ローブ氏はこうした研究を、天文学の新分野に位置付け「宇宙考古学」と呼んでおり、主に異星人が発する電波を調べる「地球外知的生命探査(SETI)」という既存研究分野を補完するものだと主張している。

 イスラエル系米国人のローブ氏は、これまでに何百もの先駆的な論文を発表し、宇宙物理学者の故スティーブン・ホーキング(Stephen Hawking)博士と共同研究を行ったこともある。

 だが、2017年に太陽系を通過した天体「オウムアムア(Oumuamua)」について、太陽風を推進力とした異星人の探査機だと主張。著書「Extraterrestrial: The First Sign of Intelligent Life Beyond Earth(地球外生命:地球外の知的生命の初兆候)」や論文でこの説を展開した結果、天文学界の多くの人と対立することになった。(c)AFP