【7月27日 People’s Daily】精巧な洛陽スコップを持ち上げ、よく売れた文化財のブラインドボックス「挖土(土を掘る)」を開封する。SNS上では、伝統文化に関する番組や動画が幾たびとなくバズる。祝日・休日に博物館に行くのはブームになった。重大な考古学的発見が発表されるたび、全国民の注目を集めている。創造的に転化し、革新的に発展し、中国の優れた伝統文化を日々の生活に溶け込ませ、人々に無限の驚喜をもたらす。

 驚喜はサプライサイドの「更新」に由来し、ますます多くの人が中国の優れた伝統文化の意匠的な表現と革新的な表出に焦点をあてるようになった。少し前、中国風の水中ダンスのシーンが無数のファンを引き付けた。美しい舞台芸術の光と影、比類のない水中ダンス、袖が動きに揺れる間に、「サカツラガンのようにひらひらと飛び、泳ぐ竜のように婉曲(えんきょく)で含みがある」「洛神(中国神話の洛水の女神)」の姿は千年を越え、生き生きと目の前に現れた。この2分足らずのシーンが好評を博した裏には、さまざまな困難が潜んでいる。ディレクターは優れた構想で『洛神賦(三国時代の曹植の作品)』を再現し、スタッフは26時間水に浸り、1日200回も水中への出入りを繰り返し、ダンサーは何キロもの重りをつけないといけなかった。まさにアイデアの素晴らしさ、様式の多彩さ、科学技術によるサポートによってこそ、黄変した古い書籍や資料の山、博物館のショーケースの中に沈殿(ちんでん)した歴史の記憶は、人々に感じられる時代の風采によって演出され、より多くの人の愛と尊重を新たに得ることとなった。

 驚喜はサプライサイドの「反復」にも由来し、公衆は中国の優れた伝統文化に対する巨大な情熱を徐々に芽吹かせ、美意識を高めていく。近年では、文化財のスタンプ競争大会から文化財かたちのアイスクリームの購入まで、三星堆の新発見をめぐる討論から、文化クリエーティブ製品の市場での人気に至るまで、上昇し続ける伝統文化の人気は、ますます広範になる公衆の参画を反映している。今日、中国の優れた伝統文化には様々な開き方があり、心が向けば、きっと親しむ道を見つけ、伝統の美を味わうことができる。

 伝承と革新が、伝統文化を長い歴史の中で末永く流れ続けていくことを助けている。インタラクティブと共感、伝統文化を時代の舞台で大いに異彩を放たせる。近年では、多くの革新的な試みが中国の優れた伝統文化の中で物事の源泉を探し、若者から喝采を得てきた。テレビ番組の『典籍里的中国(古典の中の中国)』は古典の魅力を没入型体験で表現し、『国家宝藏(国家の秘密の宝物)』は文化財の裏にある物語をゆっくりと紐解き、「唐の宮殿の美女」は古い絵巻物から出てくる。観客は伝統文化に近づく受け手になると同時に、伝統文化を発揚する伝播者となった。

「十四・五」計画(第十四次5か年計画)と2035年までの長期目標綱要は社会主義文化強国建設の推進を明確に打ち出している。蓄積された歴史の煙、先賢の知恵が凝縮された名作の「人気を上昇」させ、文化財を「生き生き」とさせる。観客が行ったのは時空を超えた対話であり、国家と民族が継続しているのは「昔から現在に至るまで、日日に新たに、また日に新たに」する発展だ。(c)People’s Daily/AFPBB News