【7月27日 AFP】ヒマラヤの王国ブータンでは過去1週間で、新型コロナウイルスワクチンの接種対象者の85%以上が2回目の接種を終えた。国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は26日、国際的なワクチン寄付によるスピード接種の「成功事例」だと称賛した。

 ブータンには、海外から相次いでワクチンの寄付が届いており、過去1週間のワクチン接種回数は45万4000回以上に上っている。これは接種対象となっている成人53万人の85%以上に相当する。

 ユニセフのブータン事務所代表ウィル・パークス(Will Parks)氏は、同国のワクチン接種活動について「ブータンにとって素晴らしい成功例」と評価した。

 人口77万人のブータンは、3月後半から4月前半にかけて行われた1回目の接種で、インドから寄付された英アストラゼネカ(AstraZeneca)製ワクチン55万回分の大部分をすぐに使い果たした。

 インドは自国での感染拡大に伴い、ワクチンの輸出を停止。1回目と2回目の接種期間の開きが大きくなったため、ブータンは各国に寄付を呼び掛けた。

 米国は、世界保健機関(WHO)やワクチン普及に取り組む国際組織「Gaviワクチンアライアンス(Gavi, the Vaccine Alliance)」などが運営する、ワクチン調達の国際的枠組み「コバックス(COVAX)」を通じて米モデルナ(Moderna)製ワクチン50万回分を寄付した。また、デンマークから寄付されたアストラゼネカ製ワクチン25万回分が、7月中旬に届いた。

 さらに、アストラゼネカや米ファイザー(Pfizer)、中国医薬集団(シノファーム、Sinopharm)製ワクチン40万回分以上が、クロアチアやブルガリア、中国などから到着する予定。

 一方、ブータン政府が購入した20万回分のファイザー製ワクチンは今年中に届く見込みだ。(c)AFP