【7月26日 AFP】東京五輪のバドミントンの試合で、香港の選手が黒色のウエアでプレーしたことについて、中国の政治家らが非難した。これを受けて香港代表選手団は26日、同選手を擁護した。黒いシャツは、香港の民主派デモを想起させるとみなされることがある。

 政治的な非難の的となったのは、伍家朗(Ka-Long Ng Angus)選手。24日に行われた男子シングルス1次リーグの試合に、黒地に自身のイニシャルと「中国香港」と書かれたウエアで臨んだ。

 伍選手以外の香港代表選手は、ヨネックス(Yonex)のスポンサーロゴと香港旗が配された公式ウエアを着ていた。

 中国の保守派の政治家2人が、伍選手のウエアは愛国心がないと非難。うち一人は、黒は民主派運動の色だと指摘した。

 伍選手は、黒色のウエアに政治的メッセージはないと反論。ヨネックスとのスポンサー契約が切れたと説明し、自身のウエアは競技条件をすべて満たしていたと述べた。

 香港代表選手団の幹部2人は伍選手を擁護し、伍選手が政治的な騒動に巻き込まれたことに憤りをあらわにした。

 香港オリンピック委員会の副委員長も、「選手にはもっと好きなようにさせるべきだ」と訴え、フェイスブック(Facebook)に「選手は国際オリンピック委員会(IOC)の要件を満たしている限り、自分が適切と思うウエアを着ることができる」と投稿した。

 伍選手を非難した政治家の一人は、後に自身のフェイスブックアカウントを削除した。(c)AFP