【7月27日 東方新報】中国・北京市公安局は7月17日、有名スターの車両に追跡機を取り付けた容疑で、20代のファンの女2人を刑事拘束したと発表した。スターへの悪質な「追っかけ」行為は以前から問題視され、スター本人も怒りの声を上げているが、とどまる気配がない。

 狙われたのは23歳の男性スター、王一博(Wang Yibo)さん。王さんはアイドルグループのダンサー兼ラッパーとして17歳でデビュー。その後もドラマの主役でヒットを飛ばし、歌手、ダンサー、俳優として絶大な人気を誇っている。

 北京市公安局によると、「王さん専用の車両に追跡機が取り付けられている」との通報を受け、捜査の末、李容疑者(25歳)と張容疑者(24歳)を割り出した。2人はSNSで王さんの活動場所などの情報を見せびらかし、さらに情報を売買して利益を稼いでいたという。

 車の尾行や自宅玄関の張り込み、飛行機の中での撮影など、悪質なファンによる追っかけ行為は以前から問題になっている。王さんはこれまでにも、ファンたちが乗った15台の車に追跡されたことがあるという。

 映画「空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎」などに出演している人気女優の張雨綺(Zhang Yuqi、キティ・チャン)さんは6月15日、中国版ツイッター「微博(Weibo)」で、「繰り返し電話をかけてくるのはやめてください!ファンと称して朝から晩まで電話をしてきて、番号を変えてもまた電話が来る。これはもうファンの行動でなく、ハラスメントです」とツイートした。

 6月27日には、男性シンガー・ソングライターの王蘇滝(Wang Sulong)さんが、ファンから一方的にかかってきた電話番号の一覧をスクリーンショットで撮影し、番号の一部を隠した画像を微博に公開。「これ以上、私の生活をかき乱さないで」と訴えた。スターの携帯番号はネット上などで売買されており、王一博さんも以前、微博で「私の携帯番号を買わないで。私の生活に深刻な影響を与えています」と呼びかけている。

 中国の治安管理処罰法では盗撮や盗聴、他人のプライバシーを侵害した者は5日以上の拘留または500元(約8500円)以下の罰金に処せられ、悪質な場合は最大10日間の拘留が科せられる。インターネット上では「悪質な追っかけや金もうけをする連中は、もはやファンではない。厳しく取り締まり、厳罰に処すべきだ」と求める声が多い。(c)東方新報/AFPBB News