【7月27日 CNS】中国版ツイッター微博(Weibo)のホットトピックで「有名菓子メーカー・三只松鼠(Three Squirrels)の元幹部が廃棄包装紙を転売して68万元(約1156万円)超の利益を得た」というニュースが流れ、多くのネットユーザーが「廃棄包装紙ってそんなに高く売れるの?」と驚いている。

 中国裁判文書サイトで公表された刑事裁判の判決文によると、三只松鼠の元幹部・蔣被告は賄賂を受け取った上、2018年10月から2020年4月にかけて元社員の童被告と共謀し、廃棄包装紙を計上しなかったり数字を偽造したりする方法で68万4000元(約1162万円)相当の廃棄包装紙を私物化した。転売により蔣被告が34万4000元(約584万円)、童被告が34万元(約578万円)を手に入れたという。

 これだけの巨額となるには、どれだけの量の包装紙が必要なのか?1トン2000元(約3万4000円)で計算すると、18か月間で342トン以上の廃棄包装紙が転売されたことになる。毎月では19トンの計算だ。

「三只松鼠」はネット通販で人気の菓子だが、以前から「過剰包装」の指摘が続いている。消費者からは「パッケージは素敵だが、中身を開けてもお菓子ごとにまた包装されていて、無駄に感じる」「お菓子より包装紙のごみが多くて、罪悪感を抱く」という不満が出ている。

 その一方で、多くの企業がネット通販でユーザーの興味を引きつけるため、パッケージデザインに力を注いでいる背景もある。上海市市場監督局は2020年、Tmallや淘宝(Taobao)などのeコマースプラットフォームで販売されるビスケット、化粧品、お茶、ココア、ローストコーヒーなどの商品パッケージの検査を実施し、50点のうち12点の包装に問題があると指摘した。そのうち茶葉とコーヒーの不適格率は20%、化粧品は70%と高かった。

 中山大学(Sun Yat-sen University)の呉培冠(Wu Peiguan)教授は「オンライン取引が急速に発展し、過剰包装の問題がより顕著になっている。国レベルで包装に関する法制度の確立を早急に検討すべきだ」と提言している。(c)CNS/JCM/AFPBB News