【7月25日 AFP】25日の「世界溺水防止デー(World Drowning Prevention Day)」を前に、世界保健機関(WHO)は23日、多くの国で水死が5歳以下の子どもの主な死因になっていると報告した。

 WHOは、2019年までの10年間で約250万人が水死したと指摘し、「完全に予防可能な」水死を減らすための基本的な対策を打ち出した。

 北半球が本格的な夏を迎え、この数か月は水死の件数がピークに達することを喚起する目的で、今年初めて世界溺水防止デーが導入された。

 WHOによると、水死した人の約60%は30歳以下。2019年だけで推定23万6000人が溺れたことが原因で死亡しており、WHOの健康の社会的決定要因(SDH)部門のデービッド・メディングス(David Meddings)医師は「衝撃的な数」だと述べた。

 水死者の統計には洪水関連や水上運送の事故の死者、入水による自殺者らの数は含まれていない。

 メディングス氏によると、水死は中国で5歳以下の死因の第1位、米国とフランスでは第2位となっている。またバングラデシュでは2016年、毎日推定40人の子どもが水死したという。

 メディングス氏は、井戸や泉周辺への柵の設置や水から離れた安全な遊び場の確保、子どもたちに基本的な泳ぎ方や安全対策を教えるといった簡単な対策で、多くの水死は防ぐことができると述べた。(c)AFP