【7月25日 AFP】東京五輪で初採用されたサーフィン競技が25日に始まった。

 夏の青空と灼熱(しゃくねつ)の太陽の下、サーフィンがいよいよ五輪デビューを飾った。競技は東京から東へ約100キロの場所にある釣ヶ崎海岸サーフィンビーチ(Tsurigasaki Surfing Beach)で朝早くから始まり、選手たちは良好なコンディションの海へパドルアウトしていった。

 男子の第1ラウンドが始まり、最初の波に乗った2019年世界王者のイタロ・フェレイラ(Italo Ferreira、ブラジル)は、「ここに来られて本当にうれしい」と喜び、「ファンにとっても、サーファーにとっても特別なことだ。全サーファーが自分の国で見ている。誰にとっても特別だ」とコメントした。

 この日は男子と女子の各ヒートが行われ、それぞれ20人の選手が登場した。サーフィンは100年以上も前から五輪に加わることを目指してきたスポーツで、今回の採用は競技にとって大きな節目となる。

 アロハシャツに麦わら帽子、貝殻のネックレスという派手ないでたちの国際サーフィン連盟(ISA)のフェルナンド・アギーレ(Fernando Aguerre)会長は、「マスクは外せないが、このマスクの下ではとてもハッピーな顔をしている」と陽気に話しつつ、「できると信じてはいたが、強い逆風にさらされることも多く、非常に難しかった。実のところこの20年は、道筋がはっきり見えていたわけではなかった」と明かした。

 25日の波は大会前よりも大きく、フェレイラは、おかげで大技の「チャンスは広がっている」と話している。コンディションの改善には日本へ近づいている台風の力もあるが、一方で台風は4日間の競技に大きな影響を及ぼす可能性もある。

 ブロンドの髪と魅力的な笑顔の五十嵐カノア(Kanoa Igarashi)は、このビーチでサーフィンをして育った父親を持ち、今五輪では優勝候補の一人に挙げられている。

 五十嵐は「どんな選手でも、自分はこの海のことを知っている、アドバンテージがあると言うのは自由だが、波は一つ一つ違う」とコメントし、「大切なのは環境に適応し、どんなコンディションでもベストのサーフィンができること。きっとふさわしい選手が優勝することになると思う」と続けた。(c)AFP/Andrew MCKIRDY