【7月25日 AFP】貧困国ウガンダで今週、新しく車を購入する費用として、国会議員529人に約4万8000ユーロ(約620万円)ずつ、総額2500万ユーロ(約32億5000万円)以上が支給された。新型コロナウイルスの感染者が急増する中での大盤振る舞いに、批判の声が上がっている。

 ヨウェリ・カグタ・ムセベニ(Yoweri Kaguta Museveni)大統領は先月18日、少なくとも6週間にわたって移動を制限し、学校や教会、バーを閉鎖すると発表していた。ウガンダの新型ウイルス感染者は累計で9万1710人、死者数は2496人となっている。

 人権団体Union of Human Rights Defenders Ugandaのアネット・ナナ・ナマタ(Anet Nana Namata)事務局長は、「多くの国民が食費にも困る中、3000万ウガンダ・シリング(約90万円)以上の月給をもらい続けている議員に、政府がぜいたく品を購入するのは容認できない」と述べた。

 ウガンダの平均月給は、肉体労働者で約24ユーロ(約3100円)、教師で約64ユーロ(約8300円)となっている。

 ウガンダ全国NGOフォーラム(UNNGOF)を率いるモーゼス・イソバ(Moses Isooba)氏は、「政府が市民に新型ウイルスワクチンの購入資金を募る中で、恥ずべき行為だ」と述べた。

 さらに、それだけの資金があれば、最も弱い立場にある50万人に20ユーロ(約2600円)ずつ支給できると訴えた。

 国民の反発が強まる中、政府のオフウォノ・オポンド(Ofwono Opondo)報道官は、昔からの伝統に沿ったものとして、今回の措置を正当化した。(c)AFP