【7月23日 AFP】フランス電力(EDF)は23日、中国の台山原子力発電所(Taishan Nuclear Power Plant)で報告された問題と同様の事態が発生した場合には、フランス国内向けの運転手順では原子炉を停止することになっていたと述べた。

 中国当局は、台山原発の原子炉2基のうちの1基で、燃料棒の損傷により放射性物質の濃度が上昇したものの安全基準を満たしているとして、運転の継続を許可したと発表した。

 台山原発は、EDFが開発した先進的な欧州加圧水型炉(EPR)を世界で初めて採用している。

 EDFは、「分析に基づけば、EDFの仏原発向けの運転手順では、問題を完全に把握するために原子炉を停止し、事態の悪化を阻止することになっていた」と発表した。しかし、台山原発に関する判断は、中国当局に委ねられているとしている。

 EDF幹部は電話会見で報道陣に「状況は緊急ではない」と説明。「(原子炉1号機の)1次回路の水に含まれる放射性物質の濃度は、国際基準に沿った台山(原発)の基準値を下回っている」と述べた。

 ただし、中国当局から提供されたデータによると、一部の燃料棒の構造的完全性の劣化は「進行しているようであり、恒常的に監視されている」という。

 台山原発の問題は、仏、英、フィンランドで建設中の発電所に使用されているEPRの設計に新たな打撃となり、建設の遅れと数千億円のコスト超過を生じさせている。(c)AFP