【7月22日 AFP】国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)は21日、英中部の海商都市リバプールの世界遺産(World Heritage)登録抹消を僅差で決定した。サッカースタジアム建設などによる過剰開発の懸念を理由に挙げている。

 中国が議長国を務めている世界遺産委員会は、賛成13、反対5でリバプールの登録抹消を承認。賛成票の数は承認に必要な有効投票数の3分の2を1票のみ上回った。世界遺産登録の抹消は、オマーンとドイツでの例に次ぎ3件目。

 リバプール都市圏のスティーブ・ロザラム(Steve Rotheram)首長は登録抹消について、「世界の反対側」の当局者らによって取られた「逆向的措置」だと批判。「リバプールのような場所は、世界遺産として登録された状態の維持と、取り残された地域社会の再生のどちらか一つを選ぶよう迫られるべきではない」と主張した。

 英政府も、ユネスコの決定に「大変失望した」とするコメントを発表した。(c)AFP