【7月22日 Xinhua News】中国で最近公開されたコメディ映画『Bye!Mr.Wang』は、人とペットが互いに寄り添い、相手を守ろうとする温かい交流を描いている。陝西省(Shaanxi)西安市(Xi'an)で8日、同作が封切られ、「ペット連れ専用上映回」には、多くの観客が愛犬を連れて足を運んだ。同作品の王大治(Wang Dazhi)監督によると、「出演」している犬の大半は野良犬で、幸いにも、映画の撮影終了後、多くの犬がもらわれ、映画が描いた互いに連れ添う愛情の物語が現実のものとなった。

 中国ではここ数年、ペットを自分の生活に取り入れる人がますます増えてきている。中国の調査会社、艾媒諮詢(IIメディアリサーチ)のデータによると、国内のペット市場規模は2015~20年にかけて拡大し続け、20年は前年比約33・5%増の2953億元(1元=約17円)となった。回答者の37・1%がペットを友人として見ており、40%以上が家族と考えていた。

 西北大学文学院の趙濤(Zhao Tao)副教授は「経済・社会の発展が社会構造の変化をもたらし、一人暮らしや子どもが巣立った老夫婦世帯が増加して、ペットは人々、特に一人暮らしの若者にとって、孤独を解消する大切な心の支えとなっている。ペットに愛情を注ぐ若者は、ペット映画市場に巨大な潜在力を提供している」と指摘。「中国の映画産業と市場が徐々に成熟する中で、さまざまな観客のニーズに応えるために、映画のテーマもより多様化、細分化されており、ペットをテーマにした映画も、このような背景の下で次第に増えつつある」との見方を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News