【7月20日 AFP】インドの実際の新型コロナウイルス死者数は、当局が報告した約41万4000人の最大10倍に上り、インド独立以来最悪の人道危機となっている可能性があるとする推計が20日、発表された。

 人口約13億人のインドでは、4、5月に広がった変異株「デルタ株」などの影響で感染が急拡大した。米シンクタンク「世界開発センター(CGD)」が発表した今回の推計は、インドの新型ウイルス死者数についてこれまで出されたどの推計よりも高い数値となっている。

 CGDが流行初期から今年6月までのデータを分析した結果、340万~470万人が新型ウイルスで死亡した可能性が示された。

 インド当局が報告した死者数は41万4000人以上で、米国の60万9000人、ブラジルの54万2000人に次いで世界で3番目に多い。

 CGDの報告は、平年を上回る死者数を示す「超過死亡」の推計に基づいている。

 専門家らは長らくインドの公式統計を疑問視しており、意図的に間違った報告をしているというよりも、医療体制が逼迫(ひっぱく)していることに原因があると指摘している。(c)AFP/Glenda KWEK