【7月20日 People’s Daily】中国青海省(Qinghai)西寧市(Xining)を出発して青海-チベット幹線道路を西に向かうと、草原・塩湖・ゴビ砂漠(Gobi Desert)・高山・荒野などの自然の風景を楽しめ、青海湖(Qinghai Lake)・チャカ塩湖(Chaka Salt Lake)・崑崙山(Kunlun Mountains)・タングラ峠(Tanggula Pass)などの近くを走り抜ける。青海省とチベットを縦断するこの交通の大動脈は、壮大で美しい景色によって称賛を集め、当時の道路建設の困難さもまた語り草となっている。

 1950年代、厳しい自然環境を克服しながらの道路敷設には7か月以上の時間が費やされた。ゴルムド(Golmud)からラサ(Lhasa)まで続く「天空の道」は、平均標高4000メートルという高地に敷設され、これがチベットで初の現代的な道路となった。青海-チベット幹線道路の建設は中国建設史上に残る一大事業といえる。

 時は流れ、道路を建設した人々の功績は記憶に残るところとなった。さらに特筆すべきなのは、当時の建設者から現在の管理員まですべての人々が、自然と闘い、開拓の精神を伝え、沿線地区の経済社会の発展に尽力し続けたことだ。

 海西モンゴル族・チベット族自治州(Haixi Mongol and Tibetan Autonomous Prefecture)烏蘭県(Ulan)の莫河ラクダ牧場は、中国で最初の国営ラクダ牧場である。かつて、青海-チベット幹線道路の修築のために人員と労力をさき、職員は厳しい環境の中ラクダで荷運びをした。月日は流れ、数代にわたる努力が実って2020年末にはラクダ牧場は牧畜業で867万元(約1億4640万円)の収入を得、年に出荷されるチャカ羊肉は500トンに達した。「私たちは先人たちの困難に打ち勝つ精神を受け継ぎ、またイノベーションの精神を軸にしています」と、ラクダ牧場に併設された歴史館の張存虎(Zhang Cunhu)館長は語る。

 バイン村は烏蘭県の集落である。「当時青海-チベット幹線道路を建築するためにわれわれが払った犠牲は、永久に忘れられません。ただ、沿線の住民の暮らしを良くすることでのみ、彼らの期待に沿うことができるのです」と、村に駐在する共産党幹部、趙福昌(Zhao Fuchang)氏は語る。各レベルの党委員会と行政の関心を得て、「陸の孤島」に住んでいた村民の問題は2013年から集中的に解決された。村の35戸の住民は全て移住が実現し、新しい住居は青海-チベット幹線道路の沿線・チャカ塩湖の近くであった。引っ越しの後彼らは観光業を始め、去年には1人当たりの可処分所得が1万7000元(約28万円)に達した。(c)People’s Daily/AFPBB News