【7月20日 People’s Daily】6月30日、世界保健機関(WHO)が発表した公報は、中国が正式にマラリアを撲滅した国として認定されたことを伝えた。公報によれば、中国におけるマラリアの症例は1940年代の3000万例からゼロまで減り、これは快挙と言える。

 WHOのテドロス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は公報の中で中国がマラリアを撲滅したことに祝意を示した。テドロス事務局長は、中国の成功は容易に達成できることではなく、中国の数十年にわたる正確な予防医学上の努力によるところが大きいと述べた。

「中国はこの重要なマイルストーンを実現するためにたゆまぬ努力、強力な政治的承諾と、国家の衛生システムの強化を行っており、それらのいずれもマラリアとの闘いという公共衛生上の挑戦に打ち勝つには不可欠のものでした。この成果によって、西太平洋地区からマラリアを消し去るという目標に一歩近づきました」と、WHO西太平洋区域主任の葛西健(Kasai Takeshi)氏は述べた。

 WHOの基準によれば、1つの国や地域で連続3年間土着マラリアの症例がなく、有効なクイック検査およびモニタリングコントロールが確立しており、マラリア予防のプログラムが制定されていることが、マラリアがない地域としての認定を得る要件である。中国は2017年から4年連続で土着マラリアの発生報告がなく、去年正式にWHOにマラリアがない国としての認証申請を行った。

 WHOは公報の中で中国がマラリアを撲滅した方法と経験について詳細に述べている。中国の科学者がアルテミシニンを取れる薬草を発見した。アルテミシニンを用いた総合的療法は目下最も有力なマラリアの治療法であり、科学者の屠呦呦(Tu Youyou)氏はこれによってノーベル生理学・医学賞を受賞した。

 この他にも、中国はマラリアなどの伝染病報告ネットワークシステムとマラリア実験室検査ネットワークを確立し、マラリア媒介モニタリングコントロールとマラリア病原虫の薬剤耐性監視システムを完備し、追跡と対処の戦略をしっかりと定め、「1-3-7モデル」という探索と症例報告、調査と処置のモデルを制定した。辺境地区では「3+1防衛ライン」というバージョンが使われている。「1-3-7モデル」とは、1日以内に症例の報告をし、3日以内に症例のチェックと流行病調査を行い、7日以内に感染が広まった範囲の調査と処置を行うものである。この一連のモデルはすでに世界的なマラリア対策モデルとなっており、正式にWHOの技術ファイルに加えられて世界中で用いられている。

 WHOのデータによれば、2019年、世界のマラリア症例は2億2900万例、死亡例は40万9000例である。うち、アフリカ地区での症例・死亡例が90%以上を占める。(c)People’s Daily/AFPBB News