【7月20日 AFPBB News】東京五輪開幕まで、あと3日となり、総勢170人のAFPの取材チームの準備も最終段階に入っている。日本にいるのは約130人、他はバンコクなど海外拠点で関連業務に従事する。新型コロナウイルスの世界的流行が収まらない中の異例づくしの開催となるが、慌ただしさを増す東京ビッグサイト(Tokyo Big Sight)にあるメインプレスセンター(MPC)でのチームの様子を紹介する。

 大会組織委員会によると、合計6000人の記者やメディアのスタッフが、世界中から取材登録をしている。ボランティアや配達スタッフも含め、1日1万6000人から1万7000人がMPCを訪れるという。

 センターには記者証のある人ならだれでも使える共有スペースの他に、プライベートオフィスと呼ばれる大手各社の部屋がある。今大会では国内外50社がオフィスを構えており、AFPもそのうちの一社だ。

 オフィスはいわば、ベースキャンプのようなもので、細部に各社のカラーが出る。テレビ10台、約60台のパソコンが並ぶAFPの大部屋で存在感を発揮しているのは、試験的に導入された数個のバランスボールだ。

 椅子に代えてボールに座るのを選べるようにしたのは、今回の五輪が初めてだという。チームを率いるバンサン・アマルビー(Vincent Amalvy)の発案だ。

 まずは色とりどりの6個を導入したが、椅子よりコストがかからない上に、快適で人気なため、今後増えるかもしれないと言う。「試験的な導入だが、北京(冬季大会)では、全てボールになるかも」と笑う。

 MPC通いのメンバーのほとんどが、1日10から15時間を部屋で過ごすことになるため、ボールというオプションがあるのはよいことだと語る。

 アマルビーは1992年のアルベールビル冬季大会から五輪を取材しているベテランだが、今回の五輪のプレッシャーは強いと認める。

 準備のスケジュールが非常にタイトであり、従来のルールが変更されたことに合わせて活動しなければならない。「進め方が、従来と違う。もちろん、それは理解できるが、技術者を含め全てのメンバーの到着が通常より遅れた」と語った。チームのメンバーの95パーセント以上がワクチン接種済みだ。

 競泳や飛び込みプールの底に据え付けられるカメラや、その他の特殊な機材のチェックも入念に行われている。

 MPCでは、カメラ本体のトラブルはニコン、キヤノン、ソニーのスタッフが対応するが、それ以外のトラブルには、お助けショップもある。プロのカメラマン向けの機材を扱う、銀一株式会社(中央区)が臨時店舗を出しており、電池から、三脚を固定するためのクランプ、カメラバッグまで、約1500点をそろえている。

 開幕すれば、ハードワークとなるが、部屋の中に休憩ができる場所があり、ビーズクッション、コーヒーマシン、給水器、冷蔵庫が備え付けられている。

 AFPはフランス語、英語、スペイン語、アラビア語、ドイツ語が飛び交うチームで、日々の競技を全力で取材する。

 AFPBB Newsは、1日数百枚の写真と共に競技結果やサイドストーリーを配信する。(c)AFPBB News/Miwa Suzuki