【7月20日 AFP】米国は19日、今年3月に起きた米IT大手マイクロソフト(Microsoft)に対する大規模なサイバー攻撃は中国政府が実施したものだったと主張し、中国による「悪意ある」サイバー活動を同盟国と共に非難する異例の共同声明を出した。米中関係をさらに悪化させる動きだ。

 アントニー・ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官は声明で、多くの人に利用されている電子メールサーバー「マイクロソフトエクスチェンジサーバー(Microsoft Exchange Server)」に対するハッキングは、「無責任かつ破壊的で、サイバー空間での安定を損なう行動パターン」の一端であり、「われわれの経済・国家安全保障に対する大きな脅威」となると指摘。「国家が支援する活動やサイバー犯罪を自らの経済的利益のために請け負って実行するハッカーらのエコシステム」を、中国国家安全省が形成していると主張した。

 米司法省は同時に行った発表で、2011~18年に米国内外で企業や大学、政府機関のコンピューターに対するハッキングを繰り返したとして、中国人4人を起訴したことを明らかにした。ブリンケン氏は起訴について、「(中国の)悪意あるサイバー行為者に対し、サイバー空間での無責任な行いの責任を負わせる」ものだと言明した。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は記者会見で、中国政府はロシア政府と同様、サイバー犯罪者らを「保護している」と主張。捜査の完了を待ち、対抗措置を取る構えを示した。

 米国はさらに、欧州連合(EU)、英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、日本、北大西洋条約機構(NATO)との共同声明で、中国のサイバー攻撃を非難。バイデン政権は、このような共同声明は前代未聞だとしている。(c)AFP