【7月19日 AFP】フランスのジュリアン・ドノルマンディー(Julien Denormandie)農業・食料相は18日、養鶏業界で行われている雄ひよこの殺処分を2022年から禁止すると発表した。動物愛護活動家が長年、この慣行の廃止を訴えていた。

 雄は卵を産まず、肉も雌に比べて少ないため多数が殺処分されており、粉砕機や二酸化炭素ガスが使われることが多い。

 養鶏業者は、大規模な養鶏場ではふ化前の卵の段階で性別を判定する安価で実用的な方法が存在せず、2009年の欧州連合(EU)指令では、ふ化後72時間未満のひよこを「即死」させる場合に限り、粉砕機にかけることが認められていると主張している。

 しかし、動物愛護活動家は不必要に残酷だと非難し、ふ化前に性別を見分ける技術は向上していると指摘している。

 ドノルマンディー氏は朝刊紙パリジャン(Le Parisien)に対し、「2022年1月1日以降、すべての養鶏場は、ふ化前のひよこの性別を判別する機械を設置、または発注しなければならない」と述べた。

 さらに、「2022年は、フランスで雄ひよこの粉砕機やガスによる殺処分が終わる年になる」と述べ、この措置によって毎年約5000万羽の殺処分を防ぐことができると主張した。

 ドノルマンディー氏は、養鶏業者が必要な設備を購入するために総額1000万ユーロ(約13億円)の助成金を支給すると約束した。

 ドイツも今年1月、2022年から雄ひよこの殺処分を禁止すると発表している。スイスは昨年、ひよこを生きたまま粉砕機にかけることを禁止したが、今もガスによる殺処分は認めている。(c)AFP