【7月19日 AFP】21F1第10戦英国GP(British Grand Prix 2021)は18日、決勝が行われ、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が優勝した。しかし、1周目でハミルトンと接触してリタイアを強いられたレッドブル(Red Bull)の年間首位マックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)は、「危険で無礼」とハミルトンを非難している。

 14万人の観客が大歓声を上げる中、両者は1周目のコーナーでハミルトンがフェルスタッペンを抜こうとした際にタイヤが接触。ハミルトンはホイールのリムが破損しただけで走り続けたが、フェルスタッペンはコース外へはじき出されてバリアーに突っ込み、そのままリタイアを余儀なくされた。

 その後にフェラーリ(Ferrari)のシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)がトップに立ったが、フェルスタッペンのマシンが撤去され、本人が連れ出される中でレースは中断した。スチュワードはハミルトンに10秒のペナルティーを科したが、これは2番目に軽い処分で、その後ハミルトンはルクレールを追走して抜き返すことができた。

 検査のために病院へ運び込まれたフェルスタッペンは、搬送先からツイッター(Twitter)に「無事で良かったが、こんなふうに奪われて非常に残念だ」と投稿した。その後に「検査を受け、大きなけがもなかった」ため、退院したことがチームから発表された。

 つぶやきの中で、フェルスタッペンは「ペナルティーは僕らの助けになっていないし、コース上でのルイスの危険な動きに対する裁きにもなっていない。病院から喜ぶ様子を見たが、無礼でスポーツマンらしさもない。それでも僕らは前に進む」と話している。

 チーム代表のクリスチャン・ホーナー(Cristian Horner)氏もハミルトンを非難し、さらに「ルイスが大喜びしていてくれればうれしいね。むなしい勝利だ」と皮肉を口にした。

 一方のハミルトンは、「接触の後には激しい怒りがこみ上げた」とフェルスタッペンを批判し、「彼はあんなふうにアグレッシブになる必要はなかったと思う」とコメントした。さらに「自分は誰に対しても引き下がらないし、追い込まれて積極性をなくしたりもしない」と話し、「僕らにはポイントが必要だった。彼がギャップをつくったからそれを狙った」と続けた。

 レースの結果、レッドブル勢のGP連勝は5でストップした。ハミルトンは英国GP通算8勝目を挙げ、年間首位に立つフェルスタッペンとのポイント差を8に縮めた。

 メルセデスのバルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)が3位に入り、ランド・ノリス(Lando Norris)とダニエル・リカルド(Daniel Ricciardo)のマクラーレン(McLaren)勢が4位と5位になった。レッドブルのセルヒオ・ペレス(Sergio Perez)は16位で年間順位でも3位から5位に下がり、チームにとっては最悪の一日になった。

 アルファタウリ(AlphaTauri)の角田裕毅(Yuki Tsunoda)は10位に入り、ポイントを獲得した。(c)AFP