【7月17日 AFP】干ばつに見舞われている米西部は山火事の拡大に警戒を強めているが、オレゴン州南部で発生した大規模な山火事は消火が進んでおらず、カリフォルニア州では降雨を伴わない危険な落雷が予測されている。

 オレゴン州では、カリフォルニア州との州境付近で発生した山火事が一晩でニューヨーク市の面積を上回る約970平方キロに拡大した。米国で発生した山火事としては最大規模だが、現時点で消火されているのは全体の7%にとどまっている。

 山火事は発生以来、1時間当たり4平方キロのペースで急速に拡大している。15日には追加の避難命令が出され、火の広がりが早いため消防隊員らも撤退を余儀なくされた。

 この山火事によって、隣接するカリフォルニア州の電力供給も脅かされている。過去にも熱波で供給網に負荷がかかったことにより、停電が発生した。

 気候科学者のダニエル・スウェイン(Daniel Swain)氏は、カリフォルニア州では今週末、降雨を伴わない落雷によって山火事が発生する可能性が「極めて高い」と警鐘を鳴らした。

 昨年発生した「8月複合火災(August Complex Fire)」は同州では近年最大の山火事となり、デラウェア州ほどの面積が延焼したが、火災の原因は数千もの落雷だった。

 一方、カナダのトロントには17日、オンタリオ州北西部の消火活動のため、メキシコの消防隊員ら約100人が到着する予定となっている。

 カナダの4州では、山火事による煙が立ち込め、大気汚染警報も出された。(c)AFP/Camille Camdessus with Anne-Sophie Thill in Montreal