【7月17日 AFP】西欧諸国で発生した豪雨と洪水で、死者は少なくとも128人となった。108人はドイツで、20人はベルギーで確認された。16日も捜索・救助活動が続けられた。

 独紙ビルト(Bild)が「死の洪水」と呼んだ今回の洪水は、住民らにとって全く予期せぬものだった。一部の地域では家屋も水に漬かり、道路には横転した車が残されていた。完全に孤立している地区もある。

 西部ラインラント・プファルツ(Rhineland-Palatinate)州シュルト(Schuld)では、住民のハンスディーター・ブランケン(Hans-Dieter Vrancken)さん(65)が、「トレーラーハウスや車が流され、樹木が根こそぎ倒され、住宅が破壊された」と語った。「20年以上シュルトに住んでいるが、このようなことは初めてだ。まるで戦場のようだ」

 ラインラント・プファルツ州のロジャー・レーウェンツ(Roger Lewentz)内相はビルトに対し、今後数日間は被災地で捜索活動が続けられるため、死者が増える恐れがあると述べた。

 16日夜までに新たに5人の遺体が発見され、ドイツ全土の死者数は108人になった。

 さらに、ノルトライン・ウェストファーレン(North Rhine-Westphalia)州のエルフトシュタット(Erftstadt)では、洪水の影響で土砂災害が発生しており、複数人が死亡した恐れがある。

 隣国ベルギーの政府は、死者数が20人に増えたと発表した。停電が発生している地域もあり、2万1000人以上が影響を受けている。

 アレクサンダー・デクロー(Alexander de Croo)首相は、今回の洪水について「わが国史上最悪の可能性がある」と述べ、20日を国を挙げて喪に服す日とした。

 ルクセンブルクとオランダも豪雨に見舞われ、多くの地域が水に漬かった。オランダ・マーストリヒト(Maastrich)では数千人が避難を余儀なくされた。(c)AFP/Jean-Philippe LACOUR with Femke COLBORNE in Berlin