【7月17日 AFP】南アフリカのシリル・ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は16日、同国で1週間にわたり続く暴動や略奪行為は「民衆の反乱」を企てた者たちによって引き起こされたとの見解を示した。騒乱の死者は212人に増加した。

 ラマポーザ氏はテレビ演説で、今回の事態に対する政府の備えが不十分だったことを認めた上で、「この暴力行為をけしかけた者たちを見つける」と表明。「こうした行為の背後にいる者たちは、国民の間で民衆の反乱を引き起こすことを企てた」とし、「こうした個人に裁きを下すための努力は惜しまない」と宣言した。

 大統領府高官はラマポーザ氏の演説に先立ち記者団に対し、暴動の扇動者についての捜査は大きく進展しており、容疑者1人を逮捕し、11人を監視していることを明らかにしていた。

 政府の集計によると、死者212人のうち180人が、南東部クワズールー・ナタール(KwaZulu-Natal)州で死亡した。これには銃撃を受けた人や、略奪現場に人々が殺到した際に死亡した人が含まれる。

 暴動のきっかけとなったのは、ジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)前大統領が汚職調査への協力を拒否したとして禁錮1年3月の有罪判決を受け収監されたことだった。

 クワズールー・ナタール州が地元のズマ氏は、与党アフリカ民族会議(ANC)内の一部から貧困層の擁護者とみなされ、支持を集めている。ズマ氏支持派で、ANCの党員資格を停止されたカール・ニーハウス(Carl Niehaus)氏は、オンラインで開かれたイベントで、略奪行為はズマ氏の支持者らがけしかけた意図的な破壊工作だったとの見方は「責任転嫁」だと主張している。(c)AFP