【7月16日 AFP】考古学者らは14日、鉄器時代に建設された石造りの壁が新たに2か所で発見されたことで、古代エルサレムの東側斜面全体が、かつて巨大な壁で守られていたことが「はっきりと」証明されたと語った。

 これまでの数十年で、長さ90メートルと30メートルの壁が発見されていた。だが、その間には70メートル分の空間があり、第1神殿(First Temple)があったとされる古代エルサレムの東側が一続きの壁で守られていたかどうかは疑問視されていた。

 今回、新たに発見されたのは、14メートルと3メートルの壁だ。

 発掘を率いた古代エルサレム研究センター(Ancient Jerusalem Research Centre)の考古学者フィリップ・ブコサボビッチ(Filip Vukosavovic)氏は、「新たに二つの部分が発見されたことで、古代エルサレムのダビデの町(City of David)、つまり東側の斜面が、巨大な壁で囲まれていたと明言できる」と話した。

 イスラエル考古学庁(IAA)も14日、「議論は決着したようだ。これが古代エルサレムの東側にあった壁であることは間違いないようだ」と発表した。

 また、新たに発掘された壁の近くでは、神々を描いたバビロニアの石印や、「Tsafan」というユダヤ人の名前の印影も見つかった。

 傾斜状の丘の岩盤の上にそびえ立っていた壁全体は、紀元前8世紀ごろに建設されたと考えられており、ブコサボビッチ氏は「古代エルサレムが攻撃を受けた際の主要な防衛線」として機能していたと話した。

 映像は14日撮影。(c)AFP