【7月16日 AFP】カリブ海(Caribbean Sea)の島国ハイチの国家警察は15日、ジョブネル・モイーズ(Jovenel Moise)大統領の暗殺は隣国ドミニカ共和国で計画されたと発表した。また、大統領の主任警護官と警護員3人を拘束したと明らかにした。

 モイーズ大統領は7日、首都ポルトープランスにある私邸に押し入った武装集団に射殺された。この事件では、大統領警護隊に負傷者が出ていないことから、内部関係者の関与が疑われている。

 ソーシャルメディアで拡散されている写真には、すでに逮捕された容疑者2人が野党の元上院議員ジョエル・ジョン・ジョセフ(Joel John Joseph)容疑者と会っている様子が捉えられている。警察は同容疑者を指名手配した。

 レオン・シャルル(Leon Charles)国家警察長官によると、この写真は、3人がドミニカ共和国の首都サントドミンゴのホテルでモイーズ氏の暗殺計画を立てている際に撮影されたものだという。

 シャルル長官は、「暗殺の首謀者、実行犯採用班、資金調達班がテーブルを囲んでいる」と説明。写真には、すでに逮捕された医師のクリスティアン・エマニュエル・サノン(Christian Emmanuel Sanon)容疑者や、ハイチ系米国人のジェームズ・ソラージュ(James Solages)容疑者も写っている。

 警察によればソラージュ容疑者は、米フロリダ州マイアミに拠点を置くベネズエラ系警備会社CTUとの調整役として計画に参加していた。CTUの社長も写真に写っており、暗殺計画に絡んで何度もハイチに入国していたという。

 シャルル長官はまた、暗殺資金はフロリダ州に拠点を置く金融サービス会社「ワールドワイド・キャピタル・レンディング・グループ(Worldwide Capital Lending Group)」が提供したと語った。

 事件では、ハイチ系米国人2人とコロンビア人26人が実行犯とされている。捜査に協力しているコロンビア警察は15日、逮捕された容疑者らが、モイーズ大統領を拘束して米麻薬取締局(DEA)に引き渡す計画だったと供述していることを明らかにした。実行犯の中には、コロンビア軍特殊部隊の元隊員が複数加わっていたという。

 米国防総省は同日、逮捕された容疑者の一部が、かつてコロンビア軍兵士として米軍の訓練を受けていたことを確認した。(c)AFP/Robenson Geffrard