【7月16日 AFP】南アフリカで続く暴動の死者は15日、117人に上った。略奪行為による物資不足や経済への深刻な影響の懸念が高まっており、同国軍は予備役を招集し事態の鎮静化を試みている。

 政府は14日、今回の緊急事態に対処するため当初投入した数の10倍に当たる約2万5000人の兵士を動員すると発表。同国の現役軍人の約3分の1に相当する規模となる。暴動が6日目に入った15日には、陸軍トップのローレンス・ムバサ(Lawrence Mbatha)中将が、すべての予備役軍人に出動を命じた。

 南アフリカ経済の中心地であるヨハネスブルクと南東部クワズールー・ナタール(KwaZulu-Natal)州では店舗や倉庫が略奪被害に遭い、食料、燃料、医薬品などの重要な物品の供給が大きく混乱。大統領府によると、12人の容疑者が企てた「経済的破壊行為」により、数千軒の店舗などが略奪被害に遭ったとみられている。

 これまでに2203人が窃盗などの疑いで逮捕された。暴動の中心地となっているクワズールー・ナタール州では15日も略奪が続いたが、ヨハネスブルクは比較的鎮静化し、市内の各地域ではボランティアが清掃活動を行った。(c)AFP/Susan NJANJI and Luca SOLA