【7月15日 AFP】新型コロナウイルスの感染が全国的に急拡大しているタイで15日、新たに3島が、ワクチン接種済みの外国人観光客の受け入れを再開した。

 サムイ(Samui)、タオ(Tao)、パンガン(Phangan)の3島での受け入れ再開は、コロナの流行で打撃を受けた観光業の復興策の一環。

 タイは1日から、プーケット(Phuket)島でワクチン接種済み観光客の入国を認める「サンドボックス(Sandbox)」制度を開始した。同制度では、ホテルでの隔離は必要ないが、2週間はプーケット県外に出ることができない。

 プーケットはサンドボックスの開始以降、5000人の外国人観光客を受け入れており、うちコロナ検査で陽性が判明したのは10人だった。

 今回サムイ島では、観光客は政府の承認を受けたホテルに1週間滞在しなければならず、4日目からホテルの外に出ることができる。1週間の滞在後は、コロナ検査で陰性ならば、タオ島かパンガン島に行くことができる。

 タイでは現在、感染力の強い変異株「デルタ株」による感染が広がっている。当局によると、デルタ株が感染者の80%近くを占めている。

 感染拡大の中心となっている首都バンコクと9県には夜間外出禁止令の他、5人を超える集まりを禁止するなどの厳格な規制が導入されている。

 15日には全国で新たに約9200人の感染が確認され、1日当たりの死者数は過去最多の98人に上った。

 タイでは観光業が国内総生産(GDP)の約18%を占めており、1997年のアジア通貨危機以来最悪の不景気に陥っている。

 サムイ島観光協会(Tourism Association of Koh Samui)のラタポン・プーンサワット(Ratchaporn Poolsawadee)会長によると、同島のコロナ前の観光収入は9億1800万ドル(約1010億円)だったが、昨年は8800万ドル(約97億円)に落ち込んだ。(c)AFP