【7月19日 AFP】いつの時代の五輪でも、選手村の胃袋を満たすことはとてつもない大仕事だ。世界中から集まった一流アスリートのために、大勢の料理人が1日数万食を用意する。

 コロナ禍の東京五輪での負担はなおさら大きい。厳しい感染対策のため、アスリートらは選手村、練習会場、競技会場以外の場所へは行けない。開催地にある飲食店の利用は禁じられているため、世界に名高い和食を味わえる場は、選手村が唯一となる。

「われわれとしては、責任重大だなと思う」。こう語るのは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)運営局・飲食サービス部の山根勉(Tsutomu Yamane)部長だ。「日本各地の食材を使っているので、ぜひ楽しんでほしいと考えている。非常にプレッシャーですね」

 これは一大プロジェクトだ。選手村は一度に最大1万8000人の宿泊が可能で、飲食施設では1日最高4万8000食を提供する。一部は24時間オープンしている。

 大会運営局は、2階建て・3000座席の主要飲食施設メインダイニングホールで、700品目のメニューを用意する。ピーク時には2000人のスタッフを配置し、あらゆるニーズに対応する。

 メニューは大きく西洋料理、日本料理、アジア料理の3種類に分かれる。アジア料理には中華、インド、ベトナム料理が含まれる。