打ち上げられた赤ちゃんシャチ、続く母親捜し NZ
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【7月14日 AFP】ニュージーランドの首都ウェリントン北郊で11日に発見・保護された、打ち上げられた赤ちゃんシャチの母親捜しが続いている。赤ちゃんは乳離れしていないため、母親なしで一匹で海で生きていくことはできないという。
自然保護省によると、赤ちゃんシャチは体長2.5メートル、生後4か月から6か月の雄で、11日に岩場に打ち上げられているところを発見された。職員が海に戻したが、動揺した群れは泳ぎ去った後だったという。
赤ちゃんは、先住民マオリ(Maori)の言葉で「戦士」を意味する「トア(Toa)」と名付けられた。
海洋生物部門のマネジャー、イアン・アンガス(Ian Angus)さんはAFPに対し、赤ちゃんシャチは「特に授乳で助けが必要で、母親のもとにどうやって確実に返すのかを考えなければいけない」と話した。
「どうやって母親を見つけるかというのが二つ目の大きな課題で、今必死に捜索している」
アンガスさんによると、ウェリントン沖で空と海からトアの群れの捜索が続けられており、市民にもシャチの群れの情報提供を呼び掛けている。
トアは現在、海沿いのプリマートン(Plimmerton)地区の2本の桟橋の間に造られた仮の囲いに入れられている。
ウエットスーツを着たボランティアが、4時間ごとにチューブで授乳し、再び打ち上げられないように24時間態勢で監視している。
アンガスさんによると、ニュージーランドには長期間シャチを飼育できる施設がないため、できるだけ早く母親を見つけなければならないと話した。
ニュージーランドではシャチは絶滅危惧種に指定されており、同国沿岸には150匹から200匹が生息すると推定されている。(c)AFP