【7月16日 CNS】白熱する前方の「戦況」と、後方で見守る観客たち。その中間に座っていた孫佳楽(Sun Jiale)さんと仲間たちは、eスポーツがもたらす高揚感を肌で感じていた。孫さんは「eスポーツの運動と管理」を専攻する学生だ。

 中国・吉林省(Jilin)長春市(Changchun)で6月27日、第18回中国・長春国際自動車博覧会eスポーツ公開競技が開かれ、100人近い選手が20チームに敵味方に分かれて人気モバイルゲーム「王者栄耀(Honor of Kings)」で勝敗を競った。

 中国ではeスポーツは早い時期から、単に「ゲームをする」という概念を超えていた。中国国家体育総局は2003年、eスポーツを99番目の正式なスポーツ種目に認定。教育部は2016年、「eスポーツの運動と管理」を教育機関の専攻科目として認め、大学や専門学校でeスポーツと関連の専攻が次々と開設された。

 長春出身で「00後(2000年代生まれ)」と呼ばれる若い世代の孫さんは、在学中にインターンシップをして、卒業後はeスポーツ関連の職業に就くと決意している。「eスポーツ業界に携わっている若者の原動力は、情熱です」と孫さん。在学中にeスポーツイベントの立案や運営、スポーツ栄養学などを学んでおり、「ただゲームをしているわけではないですよ」と説明する。

 経済リサーチ会社の艾媒諮詢(iiMedia Research)によると、中国のeスポーツ市場は2020年に1365億6000万元(約2兆3333億円)に達し、2022年には1843億3000万元(約3兆1495億円)に達すると予想される。その中でも、モバイルeスポーツがeスポーツ産業の主要な原動力となっている。

 中国伝媒大学(Communication University of China)南広学院が2017年に中国で初めてeスポーツ分析の本科生の募集を開始した際、40人の定員に6000人以上の申し込みがあり、その人気ぶりが浮かび上がった。

「時代の発展とともに、eスポーツを志す若者が現れるのは当然のことです」と話すのは、21歳の鄭済苧(Zheng Jining)さん。イベントの管理と運営のインターンシップをしている彼は、来年には正式に就職し、情熱を継続していくことが目標という。(c)CNS/JCM/AFPBB News