【7月14日 People’s Daily】中国チベット自治区(Tibet Autonomous Region)シガツェ市(Shigatse)にある、上海実験学校の芸術教室では、毎日正午と夜の放課時間に、上海からチベットに支援教師としてやってきた高群斌(Gao Qunbin)さんが生徒に絵画を教えている。

「今年は何人かの生徒がすでに芸大に合格して、もうすぐ入学します。これは学校で今までなかったことです」と、高群斌さんは語る。

「絵を描くのが何になるんだ、それで飯が食えるのか?」と、美術クラスが開設されたばかりの時、高群斌さんはいつもこのような質問をされた。シガツェ市の上海実験学校では、芸大に合格する人もなく、保護者たちの多くも美術教育の重要性を知らなかった。

「ここで多くの人が言うように、美術教育は新しいものでした」。高群斌さんは美術に興味がある子どもを探すことから始めた。

 ある日、高群斌さんは面白い絵を見た。山々の中に牛や羊が群れ、たくさんの花が咲きこぼれる絵で、豊かな色彩が目を引いた。その絵を描いた生徒はバイマ・チォンダさんという名前で、シガツェ市のドモ県(Yadong)に家があった。ドモ県は標高が低く、植物が育つ条件が整っていて、シガツェ市では珍しい青々とした山の景色や雪山の景色が見られた。小さい頃からそのような環境で育ったため、バイマ・チォンダさんは色彩感覚が非常に鋭く、色使いが非常に優れていた。

「美術の勉強をしたくない?」と、高群斌さんは感動して言った。「これから絵を描いて大学に合格できたら、僕と同じような美術の先生になれるよ」。高群斌さんの話を聞いて、バイマ・チォンダさんの心は大いに動いた。家族と相談の上、彼は高群斌さんのシガツェ市での最初の教え子の1人になった。

 授業に影響を与えないよう、高群斌さんは正午と夜、週末に教壇に立った。教師陣の熱心な指導で、生徒たちは見る見るレベルを上げていった。第1期生の3人の生徒はその年の試験でなかなかの好成績を残した。

 第1期生の成功を受けて、子どもたちが芸術を学ぶことについて保護者たちと話す時に流れる雰囲気は変わり、意欲は増した。現在、高群斌さんが高校生を対象に開講している美術クラスは20人の生徒を抱え、中生徒対象の美術クラスはさらに多く、彼らはみな学習意欲を燃やしている。

「この子たちが将来さらに深く芸術を学ぶための準備をしていて、またさらに多くの芸術の種をまいてもいるのです」と、高群斌さんは言う。

「美術教育は私たちの学校の展開する、道徳教育・美的教育の縮図なのです。1人1人が自分に適した課外クラスを探すことも、私たちがずっと目標にしていることです。現在、28のチベット支援教師が52の課外活動を行っており、さらに多くの子どもをカバーできるようになるでしょう」と、シガツェ市上海実験学校の張必勝(Zhang Bisheng)校長は語る。(c)People’s Daily/AFPBB News