【7月17日 AFPBB News】1週間のSDGsニュースを振り返る。

「ヤギの手」借りて山火事対策 米カリフォルニア

・現場に派遣されたチームに与えられた任務は「草を食べろ」。それだけだ。米カリフォルニア州では、毎年発生する山火事に立ち向かう武器としてヤギが人気を集めている。7月の暑い朝、ロサンゼルス郊外グレンデール(Glendale)の丘陵地でヤギ80頭が一帯の草を食べていた。気候変動や干ばつの影響で、大規模な山火事が数か月間続く事態が常態化しているのではと、当局は懸念を示す。そのような状況のなか、役に立つものは何でも歓迎されるのだ。

女性による女性のための都市設計 オーストリア・ウィーン

・「女性は天の半分を支えている」のかもしれない。だが、公共スペースや住居の設計となると、女性たちの声はあまりにもしばしばかき消されてきた。この状況を覆そうという先進的プロジェクトが、オーストリアの首都ウィーン郊外で進められている。女性による女性のための都市設計だ。一部の建築工事現場の囲いに掲げられた看板には、大きな字で「女性が街をつくる」と書かれている。

地球に優しく殺生無用の「培養チキン」 イスラエルで進む食革命

・「うまい。味わいは最高です」と褒めるギリー・カンフィ(Gilly Kanfi)さん。大都市テルアビブから来た「肉好き」で、数か月前に予約を入れていた。「知らなければ、普通のチキンバーガーだと思ったでしょう」見た目は鶏肉だし、味も鶏肉だ。でも、イスラエルの食事客が楽しんでいるのは、ラボで育てた「肉」だ。これこそ増え続ける世界の人々の胃袋を満たす環境に優しい食材だと科学者らは主張する。

海や川に依存しない サケの屋内陸上養殖 ノルウェー

・物議を醸すことの多いサケの養殖業界だが、より環境に配慮し、内陸に施設を設置するケースが増えている。ノルウェー南東部の養殖施設も、近隣の川を直接的に利用してはいない。施設を営む「フレドリクスタ・シーフーズ(Fredrikstad Seafoods)」のロジャー・フレドリクセン(Roger Fredriksen)氏は、「海では、あらゆることが神頼みになりますが、陸の養殖場では私たちがすべてをコントロールします」と話した。

ブラジル・水辺の貧民街、コロナ禍は多くの苦難のほんの一つ

・ブラジル南東部サンパウロ(Sao Paulo)州にある南米最大の港湾都市、サントス(Santos)を流れる川の河口には、ディキダビラジルダ(Dique da Vila Gilda)と呼ばれる同国最大級のファベーラ(貧民街)がある。ビーチ沿いの庭園で知られ、サンパウロの富裕層が週末を過ごすサントスのリゾート地区とは別世界だ。ディキダビラジルダのような地区とサントス市内のより裕福な地区との格差はこれまでも明白だったが、新型コロナウイルスの流行でさらに拡大した。住民のエリエッテ・アウベス(Eliette Alves)さんは「ここにはネズミ、ゴキブリ、デング熱、チクングニヤ熱、何でもあります」と語る。足元では同地区の住民2万6000人が投げ捨てたごみが、悪臭のする水の中に積もっている。

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