【7月13日 AFP】大ヒット曲「江南スタイル(Gangnam Style)」はダメだけど、人気ボーイズグループBTS(防弾少年団)の楽曲はOK──韓国のソウル首都圏で今週、新型コロナウイルス対策として、スポーツジムで流れる曲のBPM(1分間の拍数)を制限する規制が導入される。

 ジムのBGM規制は、利用者の呼吸が荒くなったり、他の利用者に汗がかかったりするのを防ぐことが目的。バイクやダンスなどのグループエクササイズの際、テンポが120BPMより速い音楽を流すことは禁止される。

 インターネット上では規制にかからない「安全な」K-POP曲のリストが出回っており、BTSの「Dynamite」(114BPM)や最新リリース曲「Butter」(110BPM)などが含まれている。

 しかし、韓国人ラッパーPSY(サイ)の「江南スタイル」は132BPMなので、当面はジムで流せなくなる。

 韓国の1日当たりの新規感染者数は1000人強で、世界的に見れば低い水準にとどまっている。しかし、最近は3日連続で過去最多を更新するなど、これまでで最悪の流行の波に見舞われている。

 今回の規制で、ジムの営業は継続できることになったが、オーナーや利用者からは嘲笑の声が上がっている。

 ジムのオーナーが集まるオンラインクラブで、あるユーザーが「今や流す曲のBPMを気にしなければならない」と書くと、別のユーザーは「曲のテンポに応じて、ウイルスが速く広がるのかな」と応じた。

 ジムに通う35歳の男性は、「今もジムで運動できることに感謝している」としながらも、規制の有効性を疑問視した。「どうせほとんどの人は、自前の曲をエアポッドで聴くんじゃないの?」

 規制は、ランニングマシンにも時速6キロまでの速度制限を設けている。あるネットユーザーは「スピード違反の切符を切られるの?」と書き込んだ。別のユーザーは、「外を歩いたり走ったりするのにも、速度制限がかかるんじゃない」と皮肉った。(c)AFP