【7月12日 Xinhua News】中国医薬品大手の上海復星医薬集団は11日、上海証券取引所で同社傘下の復星実業がこのほど台湾積体電路製造(TSMC、台積電)、鴻海精密工業およびその傘下の慈善団体・永齢基金会とメッセンジャーRNA(mRNA)新型コロナウイルスワクチンの販売取り決めを結んだとの声明を発表した。取り決めに基づき、復星実業はこれらの調達側に合計1千万回分の同ワクチンを販売するという。

 上海復星医薬の担当者は、取り決めと通常の商業ルールにしたがって台湾地区にワクチンを供給し、これにより台湾同胞が感染症の予防・抑制を強化、一日も早く正常の生活を取り戻すのを手助けできるよう期待していると述べた。

 2020年3月、上海復星医薬は独ビオンテック(BNT)社と取り決めを結び、mRNA新型コロナウイルスワクチンの開発に参加するとともに、同ワクチンの中国大陸と香港・マカオ・台湾地区での独占的な商業権益を保有した。今年1月、同ワクチンは香港での緊急使用許可を受けた。今年2月にはマカオ特別行政区衛生局の特別輸入承認を受けて、マカオの新型コロナワクチン接種計画で使用された。

 今年5月以降、台湾地区で新型コロナウイルス感染症が爆発的に流行、いくつかの県・市、企業と民間機関が上海復星医薬にBNTワクチンの調達希望を出した。復星医薬の担当者は当時、ワクチンを台湾同胞のために役立て、島内の感染症予防・制御のために積極的な役割を果たしたいと明確に表明した。しかし民進党当局は6月下旬になってやっと台積電、鴻海および永齢基金会が復星医薬と調達交渉に入ることに不承不承ながら同意した。

 台湾のいくつかの県・市や民間団体も現在、上海復星医薬とワクチン調達について交渉しているといわれる。国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮(Zhu Fenglian)報道官はかつて、島内の調達意志のある県・市や民間機関、企業などは通常の商業ルールにしたがって交渉することができ、われわれは台湾の市民が緊急に必要なワクチンを一日も早く使えることを希望していると語っている。(c)Xinhua News/AFPBB News