■「有効な選択肢」

 内戦の間、シリアの発電量は少なくとも半減したが、UNDPによると「武力衝突が減少し、国内のほとんどの地域がより安定したところで、太陽光発電が有効な選択肢として急増した」という。

 政府の統治が及んでいる地域では、太陽光パネルは家庭に加え、大学など公的施設にも電気を提供している。

 一方、英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College London)の発行する教育と紛争に関する専門誌「Education and Conflict Review」によると、反体制派支配下の地域では全世帯の8%が太陽光を主要な電力源としている。

 さらにこの調査によると、10人に1人は湯を沸かすために、また3人に1人が照明や電池充電などの二次的な電力源として太陽光を利用している。

 反体制派の拠点の町ダナ(Dana)では、建物の屋上で太陽光発電設備が光り輝いている。

「2018年から2021年にかけて、売り上げが300%伸びました」と言うのは、太陽光パネルのセールスをするアブドルハキム・アブドルラフマン(Abdulhakim Abdul Rahman)さん。客の大半は農家だ。一つの農業プロジェクトで「100枚から、時には500枚ものパネル」を必要とすると話す。

 パネルは主にトルコから、他にドイツや中国からも輸入する。最長20年持ちこたえるという。