【7月12日 Xinhua News】中国山東省(Shandong)の済南市(Jinan)考古研究院は7日、同市東郊で貴重な元代の家族墓12基を発掘したと明らかにした。うち11基は造形と描写の美しいれんが彫刻壁画墓で、1基は石室墓だった。

 同研究院の李銘(Li Ming)院長によると、山東省内の元代れんが彫刻壁画墓の多くは、済南市の東部、章丘区や淄博市(Zibo)などに集中している。今回の墓は、出土した文字資料から元代後期の郭氏一族の墓と確認された。省内でこれまで見つかった元代れんが彫刻壁画墓の中でも最大級だという。

 李氏は「墓は整然と配置されおり、明らかに計画的に作られている。一部の墓では被葬者同士の血縁関係も判明した。元代家族墓地の配列を研究するための新たな材料になる」と述べた。

 李氏によると、墓の年代幅は比較的狭いが、構造や形態は差異が大きい。磚室墓(せんしつぼ、れんがで築いた墓)と石室墓、単室墓と双室墓、方形墓と円形墓などの違いがあり、埋葬方式も土葬や火葬、改葬、合葬などがあった。一部の墓からは鎮墓石が見つかり、れんが彫刻や壁画の内容も豊かだった。

 発掘調査では、陶器や磁器、銅鏡、銅銭などの遺物60点(組)余りも出土した。各種磁器は、元代後期の基準器として利用でき、周辺地域で出土した元代磁器の年代を知るのに役立つという。(c)Xinhua News/AFPBB News