【7月12日 People’s Daily】6月28日午前、中国四川省(Sichuan)寧南県(Ningnan)と雲南省(Yunnan)巧家県(Qiaojia)の県境に位置する金沙江白鶴灘水力発電所の最初のユニットが正式に稼働を開始した。建設中の水力発電所の中で世界最大規模、単基容量が世界1位、設置規模が世界2位の水力発電所だ。

 白鶴灘水力発電所は金沙江乾熱河谷地帯に位置し、地質条件が複雑、工事規模が巨大で、技術的難易度も世界一だ。同水力発電所は中国三峡グループが開発・建設し、総投資額は2200億元(約3兆7400億円)、総設備容量は1600万キロワット。中国が独自に開発・製造した世界最大の100万キロワット級の水力発電ユニット16基が設置された。

 東方電気グループ東方電机有限公司は左岸のユニット8基の研究開発を担当しており、関係責任者によると、白鶴灘水力発電所の水力タービンの最大効率は96.7%に達し、発電機の定格効率は99%を超え、世界で最も効率指標の高い水力発電ユニットだという。

 高さ約50メートル、重さ約8000トンでエッフェル塔の重さに匹敵する。これは白鶴灘水力発電所1基のユニットの「体」の数値だ。このうち、回転部品は1万個以上で構成され、重さは2600トンに達する。しかし驚いたことに、今回の運転ユニットは最終組み立て後に「ゼロカウンターウエート」を達成し、世界初の巨大水力発電ユニットのカウンターウエートの試験運転なしで品質指標を満たす事例となっている。水力発電業界の新記録を破り、専門家から「極上品」と称賛された。

 白鶴灘水力発電所の本体プロジェクトは2017年7月に建設を全面開始し、最初の2基のユニットがすでに稼働を開始、全てのユニットは2022年7月には稼働を開始する予定だ。完工後は、三峡プロジェクトに次ぐ世界2位の水力発電所になる。

 白鶴灘水力発電所は、中国が実施する西部の電力を東部に送る「西電東送」という重要プロジェクトの一環だ。稼働を開始した後、三峡プロジェクト、葛洲壩プロジェクト、や金沙江烏東德、渓洛渡、向家壩水力発電所とともに、世界最大のクリーンエネルギー回廊となる。エネルギー構造の改善や、「炭素排出ピークアウト、カーボンニュートラル」目標の達成に重要な意味を持っている。

 白鶴灘水力発電所全体が操業を開始すれば、100万キロワット級の水力発電ユニット16基が1日3億8400万キロワットを発電でき、1日の発電量だけで年間50万人の生活用電力をまかなうことができるという。年間発電量は624億4300万キロワット時で、年間標準石炭約1968万トン、二酸化炭素約5160万トン、二酸化硫黄17万トン、窒素酸化物約15万トンの削減効果が見込まれており、省エネ効果が顕著だ。(c)People’s Daily/AFPBB News