【7月12日 AFP】(更新)テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)は11日、男子シングルス決勝が行われ、大会第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は6-7(4-7)、6-4、6-4、6-3で第7シードのマッテオ・ベレッティーニ(Matteo Berrettini、イタリア)を下して6度目の優勝を果たし、男子歴代最多タイの四大大会(グランドスラム)通算20勝目を飾った。

 グランドスラム通算20勝でロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)とラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)に並んだ世界1位のジョコビッチは、これで1970年以降では初となる年間グランドスラム達成にも王手をかけている。

 ジョコビッチがグランドスラム決勝を戦ったのは今回が30回目で、他に全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament)で9個、全仏オープン(French Open)で2個、全米オープン(US Open Tennis Championships)で3個のタイトルを獲得している。

 仮に9月の全米オープンで4回目の優勝を果たせば、1938年のドン・バッジ(Don Budge)氏と1962年と1969年のロッド・レーバー(Rod Laver)氏に続き、男子では史上3人目の年間グランドスラム達成となる。

 ジョコビッチは、「バトルと呼ぶ以上の試合だった。彼は真のイタリアのハードヒッターだった。それを肌で感じた」とベレッティーニをたたえ、「自分たち3人は誰一人として止まらないということだ。ロジャーとラファはレジェンドで、彼らこそが私が今ここにいる理由だ」と話した。

 今大会は準々決勝で敗退したフェデラーもツイッター(Twitter)でジョコビッチを祝福し、「特別な時代にプレーしていることを誇りに思う。信じられないパフォーマンスだった。おめでとう!」とつづった。

 これで通算タイトル数を85としたジョコビッチは、生涯獲得賞金が1億5000万ドル(約165億円)を突破した初の男子選手となった。東京五輪で金メダルを獲得すれば、男子では初の年間ゴールデンスラムも見えてくる。

 一方のベレッティーニは、イタリア勢としてウィンブルドンで初のシングルス決勝に勝ち上がってきたが、一歩届かなかった。

 ベレッティーニは「ノバクは偉大なチャンピオン。このコートで歴史を刻んでいる」と話し、「自分にとっては終わりではなく始まりだ」とコメント。「家族や友人、チームがいなければ全て不可能だったことだ。とにかくグラッツェ(イタリア語でありがとうの意)と言いたい」と語った。(c)AFP