【7月13日 AFP】五輪の歴史は、少なくとも紀元前8世紀にまでさかのぼる。ギリシャの神ゼウス(Zeus)にささげられる競技祭として、古代五輪はペロポネソス(Peloponnese)半島のオリンピア(Olympia)で4年ごとに行われた。

 当時の競技は徒競走、レスリング、ボクシング、「パンクラティオン」という格闘技、馬術、五種競技などだった。

 紀元前146年にローマ帝国がギリシャを征服すると、古代五輪は衰退。紀元後393年を最後にローマ皇帝テオドシウス1世(Theodosius I)によって廃止された。

 古代五輪が行われたオリンピアの地は地震と洪水で荒れ果て、忘れ去られた。1500年以上の時が流れた1896年、ギリシャ・アテネで近代五輪の第1回大会が開催され、13か国から280人が参加した。

 1894年に国際オリンピック委員会(IOC)を設立したフランスのピエール・ド・クーベルタン(Pierre de Coubertin)男爵の指導の下、近代五輪は徐々に発展していった。

 1900年パリ大会では初めて女性選手の参加が認められた。五輪は大衆の心をつかみ、1924年パリ大会には43か国から選手3000人以上が参加した。

 アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)支配下のナチス・ドイツ(Nazi)で開かれた1936年ベルリン大会は、五輪史上初めてテレビ放送された。ヒトラーがアーリア人の優越性を示すプロパガンダに利用しようとした大会だったが、黒人のジェシー・オーエンス(Jesse Owens、米国)は4個の金メダルを獲得する偉業を成し遂げた。

 1960年ローマ大会は初めて欧州で生中継された。五輪で初めて衛星放送による生中継が行われたのは1964年東京大会で、世界各地の人がテレビで観戦した。

 米公民権運動のさなか開かれた1968年メキシコ市大会では、陸上のジョン・カーロス(John Carlos、米国)とトミー・スミス(Tommie Smith、米国)が表彰式で拳を突き上げて人種差別に抗議。2人はメダルを剥奪されたが、黒人選手たちに大きな影響を与えた。

 1972年ミュンヘン大会ではパレスチナのゲリラ組織が選手村を襲撃。イスラエル選手団の11人と西ドイツの警察官1人が犠牲となった。

 現在、五輪は世界最大のスポーツイベントとなっている。(c)AFP