【7月11日 AFP】中国の習近平（Xi Jinping）国家主席と北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン、Kim Jong Un）朝鮮労働党総書記は、中朝友好協力相互援助条約の締結60周年に合わせて祝電を交換し、両国関係を強化し、「新たな段階」に導くことを確認した。北朝鮮の国営朝鮮中央通信（KCNA）が11日、報じた。

　中朝は1961年7月11日、一方が武力攻撃を受けた場合、もう一方が軍事援助することなどを定めた同条約に調印。毛沢東（Mao Zedong）は中朝関係を「唇と歯」のように緊密とたとえた。

　KCNAによると、金氏は習氏への祝電で、「近年の前例のない複雑な国際情勢にもかかわらず、朝中間の同志的な信頼関係と戦友的な友好関係は日増しに強くなっている」と記した。

　さらに、「敵対勢力の挑戦と妨害が悪質さを増す今、アジアと世界の平和と安定の保障」に寄与しているとして、同条約の役割を強調した。

　一方、習氏は、「両国の親善協力関係を、着実に新たな段階に導くことで」中朝両国とその人民に「より大きな幸福」をもたらす用意があると記した。

　専門家は親書交換について、米朝非核化協議が行き詰まり、米中間の緊張が高まる中で、米国を念頭に置いたものとみている。

　韓国・梨花女子大学（Ewha Womans University）の朴元坤（パク・ウォンゴン、Park Won-gon）教授（北朝鮮学）は、「便宜上の結婚のようなものだ」と語った。

　朴氏は中朝関係について、朝鮮戦争（Korean War）の休戦以降、不和となっており、今後も「互いを本当に信頼することはない」が、米国に対抗するために互いを必要としていると指摘した。「両国が距離を縮めるほど、北朝鮮の非核化は難しくなる」 (c)AFP