【7月11日 AFP】サッカー欧州選手権(UEFA Euro 2020)で11日にイタリアとの決勝を控えるイングランド代表に、英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)とボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相がエールを送った。

 ギャレス・サウスゲイト(Gareth Southgate)監督率いるイングランドは、欧州選手権で初の決勝進出を果たし、主要国際大会でも55年ぶりに最終決戦へ駒を進めた。

 1966年のW杯(World Cup)でイングランドは、ウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で行われた決勝で旧西ドイツを下し初優勝。現在95歳のエリザベス女王は、当時の主将ボビー・ムーア(Bobby Moore)氏にトロフィーを手渡している。

「55年前、私はボビー・ムーアにワールドカップを授与する幸運を授かりました。そして選手、マネジメント、サポートスタッフにとって主要国際大会の決勝に進み、そこで勝つことが何を意味するのかを目の当たりにしました」

 歴史的瞬間を目前にするチームに「欧州選手権の決勝進出を私と私の家族は祝福します」とメッセージを送った女王は、「あなた方の成功だけでなく、これまで示してきたその精神、責任、そして誇りが歴史に記されることを願い、あしたの幸運を祈ります」と続けた。

 イングランドが開催国だった1996年の欧州選手権でドイツに優勝トロフィーを授与したエリザベス女王は、決勝には出席しない予定となっている。

 なお、王室からはイングランドサッカー協会(FA)の会長を務めるウィリアム王子(Prince William)がウェンブリーに来場する。

 一方、ジョンソン首相は決勝に進む過程で国民の士気を上げたチームをたたえ、その成功が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に見舞われた国を盛り上げているとした。

 サウスゲイト監督とチームに宛てた書簡で首相は、「この欧州選手権におけるあなたたち全員の最高のパフォーマンスと偉業を祝福します」とつづった。

「あなた方はすでに歴史をつくりました。イングランドを主要国際大会の決勝に連れて行きました。この国のほとんどの人にとってこれは生涯初のことです」

「あなたたちはエネルギー、粘り強さ、チームワーク、そして純粋な才能がすべてのシーンで輝いて見えるような兄弟の集団を築き上げました」

「国全体の士気を高めました。そしてあしたはあなたたちがトロフィーを掲げられることを私は知っています」

 イングランドのファンの間で親しまれている「Football's coming home(フットボールが母国に帰ってくる)」というチャントを引き合いに、ジョンソン首相はイタリアに勝利して任務を完了させるようチームに呼びかけた。

「ただ願ったり祈ったりしているのではありません。ギャレス、そして最高の選手たちを信じているのです。国を代表して幸運を願い、素晴らしい試合を期待します。そしてそれを持ち帰ってください!」 (c)AFP