【7月11日 AFP】10日に行われたテニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)、女子シングルス決勝で優勝したアシュリー・バーティ(Ashleigh Barty、オーストラリア)が、大会を2回制覇したイボンヌ・グーラゴング・コーリー(Evonne Goolagong Cawley)氏の「半分の人間」になれたのならとてもうれしいと話した。

 大会第1シードのバーティは、6-3、6-7(4-7)、6-3で第8シードのカロリーナ・プリスコバ(Karolina Pliskova、チェコ)に勝利。第2セットのサービングフォーザチャンピオンシップを落とすなどのいくつかのミスを乗り越えて大会初制覇を果たし、これまでに経験がないというほど感情を爆発させた。「友人であり師でもある」という、コーリー氏のウィンブルドン初制覇から50年の節目の年に優勝できたことも格別だった。

 バーティは「自分にとって、この2週間は星の並びがぴったりそろった感じだった」と話し、「イボンヌの大会初制覇から50年の年にそうなったのが本当に信じられない」と喜んだ。

 2011年にウィンブルドン・ジュニアで優勝しているバーティによれば、全仏オープン(French Open 2021)の途中に臀部(でんぶ)の重いけがが発覚し、棄権しなければならなかったことを考えれば、ウィンブルドンは出場できたこと自体が「奇跡」だったという。

 それでも頭の中はコーリー氏のことでいっぱいで、優勝直後に彼女のことが話題になると目に涙を浮かべた。それだけでなく、コーリー氏が1971年に優勝したときに着ていたものをイメージした特製ウエアをまとうこともした。

 バーティは「イボンヌは私の人生ですごく特別な人間」と話した。

「オーストラリア先住民の若者が夢を信じ、夢を追える道を切り開いた象徴的な人だと思う」

「私もまさにそうさせてもらった。彼女はコート外でも信じられない財産を残した」

「自分がイボンヌの半分の人間になれたのだとしたら、とてもうれしく思う」

 大会前の不安な時期には本人と電話で話をし、大いに落ち着かせてもらったという。バーティは「彼女と関係を築き、私の体験を話せて、彼女が電話のすぐ向こうにいると思えたのは本当に最高だった」と話した。(c)AFP/Pirate IRWIN