【7月10日 AFP】ツール・ド・フランス(2021 Tour de France)は9日、第13ステージ(ニームからカルカソンヌ、219.9キロメートル)が行われ、ドゥクーニンク・クイックステップ(Deceuninck Quick Step)のマーク・カヴェンディッシュ(Mark Cavendish、英国)が、大会歴代最多記録に並ぶ通算34回目の区間優勝を果たした。

 今大会4勝目をマークし、46年前にエディ・メルクス(Eddy Merckx)氏が打ち立てた記録に並んだカヴェンディッシュは、最後のスプリント勝負を制してフィニッシュラインを通過した。中世の要塞都市カルカソンヌ(Carcassonne)の背景が完璧な花を添えた今回の勝利によって、パリのシャンゼリゼ通り(Champs-Elysees)で迎える18日の最終ステージで大歓迎を受けることは間違いない。

 ツールで通算5度の総合優勝を誇る偉大なメルクス氏への尊敬の念から、この日まで歴史的快挙をめぐる周囲の盛り上がりをかたくなに避けていたカヴェンディッシュは、「ツール・ド・フランスで、また一つ勝利を挙げたにすぎない」とコメント。残り二つの平たんコースで記録更新が期待される中で、「エディ・メルクス氏は史上最高のライダーであり、これからもそうあり続けるだろう」とし、「私は彼とは比較対象にならない」と強調した。

 チームメートたちの力強い先導を受けた後、最後は僅差で勝利を手にしたカヴェンディッシュは、「自分の勝利はすべてスプリント勝負によるものだ」と話しつつ、「だけど、自分が成し遂げた勝利の一つが、子どもたちが成長する上での刺激になったら、それは本望だ」と語った。

 総合争いでは、UTE(UAE TEAM EMIRATES)のタデイ・ポガチャル(Tadej Pogacar、スロベニア)がマイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)を維持し、2位に5分以上の大差をつけている。(c)AFP