【7月9日 AFP】ボクシングで8階級制覇を誇るフィリピンの英雄マニー・パッキャオ(Manny Pacquiao)は来月、2年ぶりにリングに復帰する。

 これは母国の上院議員でもあるパッキャオの新たな挑戦の始まりかもしれない。試合後、来年のフィリピン大統領選への出馬を宣言する可能性があるからだ。その場合、これが現役最後の試合となる。

 すでに42歳、普通のボクサーなら引退している年齢だが、8月21日に米ラスベガス(Las Vegas)で無敗のWBC・IBF世界ウエルター級王者、エロール・スペンス・ジュニア(Errol Spence Jr.、米国)との世界戦に臨む。

 パッキャオにとっては、2019年7月にキース・サーマン(Keith Thurman、米国)を破りWBAの同級世界タイトルを獲得して以来、初のファイトとなる。だが、彼のタイトルは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)の中、実戦から遠ざかっていたため取り上げられている(訳注:実際には休養王者)。

 62勝7敗2分けの戦績を誇るパッキャオにとっては、来年の大統領選挑戦が期待される前に大金を手にするチャンスとなる。

 フィリピン南部の故郷ジェネラルサントス(General Santos)市でトレーニング中だったパッキャオは「自分は政治家。全ての政治家はさらに高い地位を夢見るものだ」とAFPに語った。

「適切な時に(自分の決心を)発表するつもりだ。今度の試合の後かもしれない」

 知名度がものをいうフィリピンの政界で、パッキャオのスター性は大統領選で有利に働く。だが、それだけでは勝利は約束されない。