【7月10日 AFP】アラブ首長国連邦(UAE)の大胆な建築物や科学技術プロジェクトは、世界的に広く知られている。今年2月には火星の周回軌道に探査機が到達し、また二大都市であるドバイ(Dubai)とアブダビを結ぶ高速鉄道の計画も進行中だ。

 そして、同国のエティハドレール(Etihad Rail)社が進める鉄道プロジェクトが完成すれば、アブダビ西部のグワイファット(Ghweifat)から東海岸のフジャイラ(Fujairah)までを結ぶ、全長1200キロの運行が実現する。鉄道は、隣国のサウジアラビアにまで延びる。

 長期計画では、バーレーンやクウェートなど湾岸協力会議(GCC)加盟諸国とつながる広域鉄道網の一部を成すこととなっている。

 中東研究所(Middle East Institute)のカレン・ヤング(Karen Young)シニアフェローはAFPに「UAEは連邦国家であり、(首都)アブダビに権力および経済・開発政策を集中させる試みはまだ比較的新しい」と語った。

 プロジェクトの第1段階では、機関車7両と貨物車両240両での運行が行われる。機関車1両につき最大110両の貨物車両をけん引し、広大な砂漠を走り抜ける。

 エティハドレールによると、貨物列車1本で運ぶことができる荷物はトラック300台分に相当し、これにより二酸化炭素(CO2)排出量を最大で70〜80%削減可能になるという。

 映像は4月と5月に取材したもの。上空からの映像はエティハドレール社より提供。(c)AFP/Dana Moukhallati